世界的に人気の北欧ブランド「イッタラ」が手がけた「イッタラ表参道ストア&カフェ」。2021年2月にオープンした世界初のカフェ併設店舗として話題を集めましたが、残念ながら2023年8月31日に閉店していたことをご存知でしょうか。建築家・隈研吾氏がデザインした店内では、フィンランドの森をイメージした空間で北欧の食とデザインを体感できる特別な場所でした。

本記事では閉店した「イッタラ表参道ストア&カフェ」の魅力を振り返りながら、その特徴や提供されていたメニュー、店舗デザインの詳細について解説します。また、現在イッタラ製品を購入できる代替スポットやオンラインショップ情報もご紹介しますので、北欧デザインファンの方々にとって有益な情報となるでしょう。
記事のポイント!
- イッタラ表参道ストア&カフェは2023年8月に閉店した世界初のイッタラカフェ併設店
- 隈研吾氏デザインの内装は、サステナブル素材を使った北欧と日本の融合空間だった
- カフェではフィンランド料理を本格的なイッタラ食器で楽しめた特別な体験ができた
- 現在もイッタラ製品は他店舗やオンラインで購入可能で、代替となる北欧デザイン体験スポットも紹介
イッタラ表参道ストア&カフェの基本情報と閉店のお知らせ
- イッタラ表参道ストア&カフェは2023年8月31日に閉店
- 店舗は隈研吾デザインによる世界初のカフェ併設型ショップだった
- 表参道の立地は青山通りから少し入った便利な場所
- カフェでは本格的なフィンランド料理を提供していた
- フィンランドの森をイメージした内装デザインがポイント
- サステナブルな取り組みが随所に見られる空間だった
イッタラ表参道ストア&カフェは2023年8月31日に閉店
「イッタラ表参道ストア&カフェ」は、2021年2月19日に世界初のイッタラカフェ併設型直営店としてオープンし、多くの北欧デザインファンを魅了してきました。しかし、独自調査の結果、このユニークな体験型ショップは2023年8月31日をもって閉店したことが確認されています。
閉店の正確な理由は公表されていませんが、食べログなどの情報によると「当店は2023年8月31日をもちまして閉店させていただきます」と案内されていました。閉店後は、北欧文化を伝えるイベントスペースとして活用される予定だったという情報もあります。
閉店時の報道によれば、店舗部分は継続するという情報もありましたが、現在の正確な状況は確認できていません。イッタラファンにとっては残念なニュースとなりましたが、約2年半の間、東京・表参道で北欧の食とデザインを融合させた貴重な体験を提供してくれました。
コロナ禍でオープンしたこともあり、「フィンランドに行くことはできないけれども、この店舗に足を運んでもらえれば体験でき、北欧の雰囲気を楽しんでほしい」という思いがイッタラ側にあったそうです。その意味では、一定の役割を果たした後の閉店だったのかもしれません。
今後イッタラの世界観を体験できる場所として、日本国内の他店舗やオンラインショップが代替となりますが、カフェ併設型の特別な空間という点では唯一無二の存在でした。
店舗は隈研吾デザインによる世界初のカフェ併設型ショップだった
「イッタラ表参道ストア&カフェ」の大きな特徴は、世界的に著名な建築家・隈研吾氏がデザインを手掛けた点にありました。隈氏は東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなった新国立競技場の設計も担当した日本を代表する建築家です。
この店舗は、イッタラにとって世界初となるカフェ併設型の直営店であり、単なる商品販売だけでなく、北欧文化や暮らしを体感できる「体験型ショップ」として構想されました。イッタラが創業以来大切にしてきた「機能性と美しさの融合」という哲学が、空間デザインにも反映されていました。
店内に一歩足を踏み入れると、フィンランドの自然を映し出した映像が流れ、マウスブロー(吹きガラス)技法で作られた特徴的な照明が空間を照らしていました。この照明は、木の幹をイメージしたもので、この店舗のために特別にデザインされたものでした。
また、フィンランドにあるイッタラのガラス工場で使われている製品製造用の木型なども展示され、ブランドのルーツも感じられる空間となっていました。商品を見るだけでなく、その背景にある歴史や製造工程も学べる、まさにイッタラの世界観を五感で体験できる場所だったのです。
隈研吾氏のデザインと北欧デザインの融合という点でも、建築・デザイン愛好家にとって見逃せない空間でした。
表参道の立地は青山通りから少し入った便利な場所
「イッタラ表参道ストア&カフェ」は、東京都渋谷区神宮前5-46-7 GEMS青山クロス 1Fに位置していました。アクセスは東京メトロ表参道駅B2出口から徒歩約7分、または渋谷駅から徒歩約15分という便利な立地でした。
GEMS青山クロスは野村不動産が手掛ける都市型商業施設で、グルメやファッション、インテリア、ビューティーなど様々な業態のショップが入居しています。表参道駅からのアクセス方法としては、B2出口から青山通りを渋谷方面に進み、青山花茂ビル(生花店や喫茶室ルノアールが入居)の角を右に曲がると約160m先の左手にありました。
周辺には表参道ヒルズや青山オーバルビルなどの商業施設もあり、ショッピングや観光の途中に立ち寄りやすい場所に位置していたことも人気の理由の一つでした。特にインテリア好きやデザイン好きにとっては、表参道・青山エリアのショップ巡りの中に組み込みやすい立地だったと言えるでしょう。
店内は32席(ファブリックソファ席8席、テーブル4名席×2、テーブル2名席×3、ハイカウンター席10席)を備え、ゆったりとした空間で食事やお茶を楽しむことができました。また、無料Wi-Fiや電源も完備されており、カフェとしての機能性も充実していました。
なお、駐車場は店舗専用のものはなかったため、公共交通機関でのアクセスが推奨されていました。
カフェでは本格的なフィンランド料理を提供していた

「イッタラ表参道ストア&カフェ」の大きな魅力の一つが、本格的なフィンランド料理を楽しめるカフェでした。メニューはシンプルさと北欧らしい食材にこだわり、フィンランドの食文化を日本で体験できる貴重な場所となっていました。
特に人気だったメニューとしては以下のものがありました:
- シナモンロール: フィンランド人のソウルフードとも言われる伝統的なスイーツ
- カレリアパイ: エッグバターを添えた伝統的なフィンランドのパイ
- ミートボールのホワイトカレー: 十六穀米とサラダ、スープが付く完成度の高いセット
- ヤンソンさんの誘惑スパゲッティ: 北欧の家庭料理「ヤンソンさんの誘惑」(タマネギ・アンチョビ入りのポテトグラタン)をクリーム仕立てのパスタにアレンジしたもの
- スモークサーモンスパゲッティ: 北欧らしいサーモンを使ったパスタ
- サーモンとアボカドのレットウ: パンケーキの仲間でクレープのような見た目の食べ物
- ルーネベリタルト: フィンランド国歌を作詞したルーネベリの誕生日をお祝いする国民的スイーツ
ドリンクメニューも充実しており、特に「ハーブアイスティー パラダイスミックス」はハイビスカスやレモングラスの風味が爽やかで人気でした。シロップを加えると酸味がまろやかになる楽しみ方も提案されていました。その他にも「クリームソーダ」など日本の昭和メニューをイッタラのガラス製品で提供するモダンなアレンジも話題を呼んでいました。
これらの料理やドリンクはすべてイッタラやアラビアの食器で提供され、色違いの食器で同じメニューが出てくることもあり、北欧デザインの多様性も感じられる工夫がされていました。実際にイッタラの食器を使った食事体験は、製品の使い心地や見た目の良さを確かめる絶好の機会でもあったのです。
フィンランドの森をイメージした内装デザインがポイント
「イッタラ表参道ストア&カフェ」の内装デザインは、隈研吾氏が「フィンランドの森」をイメージして手掛けたものでした。店内は自然の温かみと北欧デザインの洗練さが融合した、居心地の良い空間に仕上がっていました。
店内の壁面デザインは、フィンランドの森林をモチーフにしており、自然と調和したデザインが特徴的でした。また、カフェ部分の天井には、隈研吾氏の代名詞とも言える千鳥格子の技術が採用されていました。細い角材が千鳥格子状にレイアウトされた天井は、日本の伝統工芸と自然に対するイッタラの敬意を表現した、日本と北欧の美意識が交わる象徴的なデザイン要素でした。
照明にも工夫が凝らされており、木の幹をイメージした有機的な形状のブラウン系ガラスの照明が天井から吊るされていました。これらはマウスブロー(吹きガラス)技法による造作照明で、この店舗のために特別にデザインされたものでした。
ショップエリアには、ソファが置かれた休憩スペースも設けられ、そこでゆっくりと商品を眺めることができました。壁には隈研吾氏の作品が飾られ、その周りにはイッタラのバードコレクションが美しく展示されていました。まるで小さな美術館のような佇まいで、商品を選ぶ以外にも目の保養になる空間づくりがされていました。
全体として、北欧の自然が醸し出す穏やかさと、日本の繊細な美意識が調和した、唯一無二の空間デザインとなっていました。
サステナブルな取り組みが随所に見られる空間だった
「イッタラ表参道ストア&カフェ」は、サステナビリティを重視したイッタラの哲学を体現する空間でもありました。内装や展示方法にも環境に配慮した工夫が随所に見られました。
壁とカウンターには、一部がコーヒー豆からできている持続可能なリサイクル内装材(KMEW / SOLIDO typeF)が使用されていました。これは新しく革新的なリサイクル素材であり、環境負荷を減らすための取り組みの一つでした。
また、製品を展示するディスプレイ台には、イッタラの工場から出た廃棄ガラスやパルプ、顔料、石膏、Aalto Cellと呼ばれるセルロース(MCC)などの素材を再利用した什器が採用されていました。これらの什器はフィンランドのアアルト大学の学生たちとコラボレーションして生み出されたもので、イッタラのサステナビリティへの取り組みを視覚的に表現していました。
店内で販売されていた商品の中にも、環境に配慮した「リサイクルコレクション」が含まれていました。例えば、ティーマのマグカップには、フィスカースグループのボーンチャイナ素材を再利用し、リサイクル素材を15%使用した製品がありました。白地に青いドットがアクセントになったデザインは、リサイクル素材ならではの新たな魅力を感じさせるものでした。
このように「イッタラ表参道ストア&カフェ」は、単に北欧デザインを紹介するだけでなく、サステナブルな取り組みや循環型社会への意識も来店者に伝える役割を果たしていました。イッタラの「長く愛用されるタイムレスなデザイン」という哲学は、消費社会に対するアンチテーゼとも言え、現代的な環境意識とも合致する考え方を空間全体で表現していたのです。

イッタラ表参道ストア&カフェの魅力と今後の北欧デザイン体験
- 取り扱い商品はイッタラの定番から限定品まで豊富
- アラビアやムーミングッズも充実していた品揃え
- カフェメニューでは人気のシナモンロールなど北欧の味を堪能できた
- 隈研吾デザインの空間で北欧の食器を使う特別な体験
- 閉店後の北欧デザインを楽しめる代替店舗
- 現在もオンラインで購入できるイッタラ商品のラインナップ
- まとめ:イッタラ表参道ストア&カフェの魅力と北欧デザイン体験の未来
取り扱い商品はイッタラの定番から限定品まで豊富
「イッタラ表参道ストア&カフェ」では、イッタラの定番商品から限定品まで幅広いラインナップを取り揃えていました。特に人気が高かったシリーズには以下のようなものがありました。
ティーマ 1952年の発売以来、変わらず愛され続けるタイムレスデザインのティーマは、多くの人々に支持されていました。シンプルさと機能性を兼ね備えたデザインは、様々な食卓に合わせやすく、カラーバリエーションも豊富でした。表参道店では通常のティーマに加えて、ヴィンテージカラーのブルーやブラウンなども展開され、コレクターの注目を集めていました。
また、アジア人デザイナーによって日本料理やアジア料理に合うようにデザインされた「ティーマ ティーミ」も販売されていました。これは通常のティーマよりも小ぶりなサイズ感と深さを持ち、和食器のような佇まいが特徴で、日本の食卓に馴染みやすい工夫がされていました。
カステヘルミ 「露のしずく」を意味するカステヘルミは、ガラス表面に施された水滴のような模様が特徴的なシリーズです。プレート、ボウル、タンブラーなど様々なアイテムが揃い、クリアやカラーガラスなど豊富なバリエーションが展開されていました。
アルヴァ・アアルト コレクション フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトがデザインした波打つような有機的なフォルムのベースは、イッタラを象徴する商品の一つです。表参道店ではさまざまなサイズとカラーバリエーションが展開され、シリアル番号付きのアーカイブ形状のものも取り扱われていました。
バード バイ トイッカ フィンランドの伝説的なアーティストであるオイバ・トイッカがデザインした色鮮やかなガラスの鳥のコレクションも人気を集めていました。表参道店限定カラーのシエッポ(レモン・ブルー)なども販売され、コレクターにとって見逃せない品揃えとなっていました。
その他にも、「ウルティマ ツーレ」(ラップランドの氷が溶ける様子にインスピレーションを得たシリーズ)や「ツンドラ」などのガラス製品、さらにはリサイクルガラス素材を使用したサステナブルなコレクションなど、イッタラの多彩な表現が一堂に会する場所でした。
アラビアやムーミングッズも充実していた品揃え
「イッタラ表参道ストア&カフェ」ではイッタラ製品だけでなく、フィンランドを代表する陶磁器ブランド「アラビア」の製品も豊富に取り揃えていました。特に日本でも人気の高い「ムーミン」シリーズは、カフェとショップを結ぶ通路に専用コーナーが設けられ、多くの来店者の目を引いていました。
アラビアの主な取り扱い商品には以下のようなものがありました:
パラティッシ 北欧デザインの代表作として知られる、色鮮やかな花柄が特徴のシリーズです。LEE世代(30-40代女性)にも特に人気があり、長く愛用されているコレクションでした。
ムーミン アルファベットコレクション 各アルファベットにちなんだムーミンキャラクターのイラストが描かれたマグカップシリーズで、「LOVE」や「HOME」などの文字を組み合わせたセットも人気でした。
マイニオ サラストゥス 2018年に発表され、2022年頃に日本に上陸したシリーズで、手描き風のラインにドットが散りばめられたシンプルながら北欧らしい洗練されたデザインが特徴です。実用性にも優れており、プレートがボウルやカップの上部にぴったり合うため、蓋としても使用できる機能性を備えていました。
ヴオッコ フィンランドデザインを代表する、ヴオッコ・ヌルメスニエミとアラビアのコラボレーションによるシリーズで、独特のパターンが特徴的でした。
さらに、2023年2月の店舗2周年を記念して、バード・バイ・トイッカの「シエッポ」が特別カラーで400羽限定で販売されるなど、記念商品も展開されていました。フィンランド語で「シエッポ」とは、美しい歌声と色とりどりの華やかな姿が特徴の小さな野鳥「ヒタキ」を意味し、手のひらサイズで色々な場所に飾りやすい人気アイテムでした。
このように「イッタラ表参道ストア&カフェ」は、イッタラだけでなくフィンランドの多様なデザインブランドを一度に体験できる貴重な場所だったと言えるでしょう。
カフェメニューでは人気のシナモンロールなど北欧の味を堪能できた
「イッタラ表参道ストア&カフェ」のカフェでは、フィンランドの食文化を体験できる本格的なメニューが提供されていました。特に人気だったメニューについて、より詳しくご紹介します。
シナモンロール フィンランドの国民的スイーツとも言えるシナモンロールは、カフェの看板メニューの一つでした。しっとりとした生地にたっぷりのシナモンが練り込まれ、カルダモンなどのスパイスも効いた本格的な味わいで、コーヒーとの相性も抜群でした。
カレリアパイ フィンランド東部のカレリア地方発祥の伝統的なパイで、ライ麦の生地で作られたオープンパイにご飯やジャガイモなどの具材を詰め、卵バターを添えて食べるのが一般的です。シンプルながらも奥深い味わいが特徴で、フィンランドの家庭料理を代表する一品でした。
ミートボールのホワイトカレー 北欧の家庭料理であるミートボールを、日本人の口に合うようアレンジしたホワイトカレーは、十六穀米とサラダ、スープがセットになった人気メニューでした。一見マイルドに見えるカレーですが、スパイスがしっかりと効いており、肉のごろっとした食感も楽しめる完成度の高い一品でした。
ヤンソンさんの誘惑スパゲッティ 「ヤンソンさんの誘惑」はタマネギとアンチョビを入れたポテトグラタンで、スウェーデンやフィンランドでクリスマスなどに食べられる伝統料理です。それをクリーム仕立てのパスタにアレンジした創作メニューで、北欧の伝統と現代的な感覚が融合した一品でした。
ルーネベリタルト フィンランド国歌を作詞したヨハン・ルドヴィグ・ルーネベリの誕生日(2月5日)を祝うスイーツで、生地に砕いたジンジャーブレッドクッキーが入り、ラズベリージャムとアイシングで飾られた見た目も美しいケーキです。季節限定で提供され、特に2月には店内で楽しむことができました。
これらのメニューは、すべてイッタラやアラビアの食器で提供されていました。例えば、ミートボールのホワイトカレーはティーマのボウルで、ハーブアイスティーはカステヘルミのグラスで、といったように、料理と食器の組み合わせも工夫されていました。同じメニューでも色違いの食器で提供されることもあり、イッタラ製品の多様性や使い方の提案も兼ねていました。
このように「イッタラ表参道ストア&カフェ」では、北欧の食文化を本格的に体験できるだけでなく、イッタラ製品の実用性や美しさを実感できる貴重な場所でした。
隈研吾デザインの空間で北欧の食器を使う特別な体験

「イッタラ表参道ストア&カフェ」の最大の特徴は、世界的建築家・隈研吾氏がデザインした空間で、本物のイッタラ製品を使って食事やドリンクを楽しめるという特別な体験にありました。この体験型ショップでは、製品を見るだけでなく、実際に使用することで、その機能性や美しさをより深く理解することができました。
カフェスペースは、壁に飾り棚が設けられ、そこにはイッタラやアラビアの製品が美しくディスプレイされていました。座席は北欧製のチェアが配置され、座面が緩くカーブしていて座り心地も抜群だったと評判でした。天井には千鳥格子状に配置された木材が特徴的で、隈氏が丸みを帯びた形状を扱うのは珍しいとされ、北欧の優しい雰囲気を表現していました。
そのような空間で食事をすると、通常のカフェとは一味違う体験ができました。例えば、同じメニューでも友人とは異なる色のティーマで料理が提供されたり、ドリンクがそれぞれ違うカラーのカステヘルミのグラスで出てきたりと、イッタラ製品の多様性を実感できる工夫がされていました。
実際に製品を手に取り、触れることの重要性も店舗の大きな意義でした。微妙な色合い、質感、重量感、サイズ感など、オンラインショップでは伝わりにくい情報を直接確認することができ、購入の判断材料になっていました。特に、アルヴァ・アアルトコレクションのベースなど重さのある製品は、実際に持ってみることでその質の高さを実感できました。
店内には、ソファが置かれた休憩スペースもあり、そこでゆっくりと製品を眺めることもできました。このエリアはまるで小さな美術館のような雰囲気で、隈研吾氏の作品が飾られ、その周りにはイッタラのバードコレクションが展示されていました。
このように「イッタラ表参道ストア&カフェ」は、製品を購入するだけの場所ではなく、イッタラの世界観や北欧の暮らしを五感で体験できる特別な場所だったのです。
閉店後の北欧デザインを楽しめる代替店舗
「イッタラ表参道ストア&カフェ」の閉店後も、日本国内では北欧デザインやイッタラ製品を楽しめる場所はいくつか存在します。カフェ併設の体験型ショップという特別な形態は失われましたが、以下のような代替店舗で北欧デザインの魅力に触れることができます。
イッタラ直営店 日本国内には表参道店以外にもイッタラの直営店があります。正確な店舗情報は公式サイトで確認することをおすすめしますが、銀座や日本橋、横浜などの主要都市に店舗を展開しています。直営店では幅広い商品ラインナップを取り扱っており、スタッフのアドバイスも受けられます。
百貨店内のイッタラショップ 全国の主要百貨店にはイッタラの販売コーナーが設けられていることが多く、基本的な商品ラインナップを実際に手に取って確認することができます。特に伊勢丹や三越、高島屋などの大型百貨店では、季節ごとの新商品や限定品も取り扱われています。
北欧雑貨専門店 東京や大阪などの大都市には、北欧雑貨を専門に扱うセレクトショップが多数存在します。これらの店舗ではイッタラやアラビアだけでなく、マリメッコやカイ・フランク、アルテックなど様々な北欧ブランドの製品を一度に見ることができます。
北欧料理レストラン 本格的な北欧料理を楽しめるレストランも、「イッタラ表参道ストア&カフェ」の代替となり得ます。東京・渋谷の「アクアヴィット」や「フィーカ」など、フィンランドやスウェーデンの料理を提供する飲食店では、実際に北欧の食文化を体験することができます。一部の店舗では、イッタラなどの北欧食器を使用していることもあります。
美術館や展示会 定期的に開催される北欧デザインの展覧会も、北欧の美意識に触れる良い機会です。例えば2022年には「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」がBunkamura ザ・ミュージアムで開催され、多くの作品が展示されました。美術館や展示会では、商品だけでなくデザインの歴史や背景も学ぶことができます。
「イッタラ表参道ストア&カフェ」のような体験型ショップは現時点では再現されていませんが、これらの代替手段を組み合わせることで、北欧デザインの魅力を多角的に楽しむことができるでしょう。
現在もオンラインで購入できるイッタラ商品のラインナップ
「イッタラ表参道ストア&カフェ」が閉店した現在でも、イッタラ製品はオンラインショップを通じて簡単に購入することができます。イッタラの公式オンラインストアでは、幅広い商品ラインナップが展開されており、自宅にいながら北欧デザインの魅力を取り入れることが可能です。
イッタラ公式オンラインストアの主な特徴は以下の通りです:
豊富な商品カテゴリー
- ティーマ、カステヘルミ、アルヴァ・アアルトコレクションなどの定番シリーズ
- バード バイ トイッカなどのアートピース
- プレート、ボウル、マグカップ、グラスなどの食器類
- 花瓶、キャンドルホルダーなどのインテリアアイテム
- シーズン限定カラーや特別コレクション
オンライン限定商品 公式サイトによれば、「公式オンラインストア&イッタラ表参道ストア他限定商品」というカテゴリーがあり、特別な限定品も取り扱われています。これらは一般の販売店では入手できない希少なアイテムです。
定期的なキャンペーン イッタラでは季節ごとにキャンペーンを実施しており、例えば「イッタラ スプリング キャンペーン」では、一定金額以上の購入でプレゼントがもらえるなどの特典があります。
シーズン限定カラー イッタラでは季節に合わせた限定カラーを展開することがあります。例えば2025年春夏シーズンには「アップルグリーン」が限定カラーとして登場し、瑞々しい青りんごのようなフレッシュな印象のアイテムが展開されています。
サステナブルなコレクション 環境に配慮したリサイクルガラスを使用した製品も増えており、公式オンラインストアではこうした環境に優しい商品も購入することができます。イッタラではモノづくりのすべての過程でサステナビリティに取り組んでおり、環境に優しい原材料や、リサイクル素材の使用率を高める努力をしています。
オンラインショッピングの利点は、24時間いつでも購入できる便利さにありますが、実際の製品の質感や色合い、重さなどは実物を見ないとわかりにくい面もあります。可能であれば、まずは実店舗で気になる製品を確認し、その後オンラインで購入するという方法も効果的でしょう。
公式オンラインストア以外にも、大手ECサイトや百貨店のオンラインショップでもイッタラ製品は取り扱われています。複数のサイトで価格や在庫を比較することで、よりお得に購入できる可能性もあります。

まとめ:イッタラ表参道ストア&カフェの魅力と北欧デザイン体験の未来
最後に記事のポイントをまとめます。
- イッタラ表参道ストア&カフェは2021年2月19日にオープンし、2023年8月31日に閉店した世界初のイッタラカフェ併設店
- 内装は世界的建築家の隈研吾氏がデザインし、フィンランドの森をイメージした空間が特徴的だった
- 壁やカウンターにはコーヒー豆を使ったリサイクル素材が使用され、サステナビリティを重視した設計だった
- 天井にはこだわりの千鳥格子デザインが採用され、日本の伝統工芸と北欧デザインの融合が表現されていた
- カフェではシナモンロールやカレリアパイなどの本格的なフィンランド料理が楽しめた
- すべての料理やドリンクはイッタラやアラビアの食器で提供され、実際に使用感を体験できる場だった
- 販売商品はティーマ、カステヘルミ、アルヴァ・アアルトコレクションなどの定番から限定品まで幅広かった
- アラビアのムーミンシリーズやパラティッシなど、イッタラ以外の北欧ブランドも充実していた
- 表参道店は東京メトロ表参道駅B2出口から徒歩7分の便利な立地にあった
- 閉店後も公式オンラインストアやイッタラ直営店、百貨店などで製品を購入することができる
- 2023年の2周年を記念してバード・バイ・トイッカの「シエッポ」特別カラーが400羽限定で販売された
- 実際に製品を手に取り、質感や重みを確かめられる実店舗の価値は今後も重要である
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://www.iittala.jp/
- https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130602/13256004/
- https://www.iittala.jp/products/list?category_id=140
- https://x.com/shop_iittala
- https://www.instagram.com/lalafinland/p/Crfx06lMqo-/
- https://mag.tecture.jp/culture/20210216-14349/
- https://lee.hpplus.jp/100nintai/2527953/
- https://greenseed.jp/blog/iittala-omotesando-5355.html
- https://ameblo.jp/etamako77/entry-12814443358.html
- https://discoverjapan-web.com/article/50390